International OpenData Day2015@流山 with 柏 開催報告

去る、2月21日、International OpenData Day2015@流山 with 柏を江戸川大学で行い、総勢113名の参加がありました。
オープンデータ普及促進という目的達成のため、市民主導で様々な企画が提案され、バラエティ豊かなイベントになりました。

それぞれのイベントレポートはこちら。

  1. ウィキペディタウン流山(参加者:19名)
  2. アイディアソン(参加者:19名)
  3. ハッカソン(参加者:7名)
  4. エンジニアの卵を育てる レゴロボットプログラミング体験(参加者:70名)
  5. その他

集合写真

1.ウィキペディタウン流山

開催日時: 9:00〜17:00
参加者:19名
レポート:嘉村 哲郎氏(東京藝術大学研究員)

ウィキペディアタウン流山は『まちあるき×地域文化「流山の文化情報をオープンにしよう!!」を副題に掲げ、NPO 流山史跡ガイドの会の協力を得て街歩きを実施しました。
訪問場所は、事前に NPO 流山史跡ガイドの会から提案が行われ、当日の午前中に千葉県発祥の地や新撰組近藤勇陣屋など重要な場所を含めた流山市本町から江戸川土手近辺までを約 2 時間半程度、15 カ所を訪問。

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午後は 13 時半より同市内 IODD2015 の会場でもある江戸川大学に移動し、3 グループに分かれて訪問場所の文献調査および Wikipedia の編集を行いました(会場は江戸川大学の PC ルーム)。

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文献調査は、事前に関連があると思われる書籍や地域史研究の報告書等を大学図書館および市立図書館から借り入れました。
Wikipedia の編集は、高久雅生氏(筑波大学准教授)を招き、編集に関する心構え、記述方法などのレクチャーを頂きました。

今回、参加者の年齢層が 10 代から 70 代と幅が広く、世代間のコミュニケーションが懸念されましたが、長年地域に密着してきた方が過去の情報を若年層に伝えるなどの場面が見られました。
また、あるグループでは Wikipedia 記載直前に文献調査でまとめた情報の検証を行った結果、曖昧性が多数みられることから記事の掲載を見送るなど、参加者間での能動的学習もみられました。
文献調査では、訪問した場所に関する史実や典拠情報を見つけることに時間を要しましたが、最終的には 3 件の記事を投稿し参加者全員がWikipedia に記事および写真の掲載を体験しました。

ウィキペディア編集項目
http://ja.wikipedia.org/wiki/葛飾県印旛県庁跡
http://ja.wikipedia.org/wiki/六部尊_(流山)
http://ja.wikipedia.org/wiki/呉服新川屋店舗

2. アイディアソン(開催日時:13:00~16:30)

a)流山の子育てをもっと楽しくするアイディアソン

参加者:6名
レポート:大久保 貴史氏(会社員)

子育て支援チームは、現役ママさん3名、大学生2名(男女)、ファシリテーター1名というチームです。

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まず最初に議論内容の設定を行いました。

・ ママさんを主役として生の声をいかす
・ テーマはオープンデータにとらわれず「子育て」全般としてイチから考える
・ アウトプットは単なるアイデアではなく具体的なサービスのイメージができるところまで持っていく


ママさんが抱える問題はとにかく時間がないこと。
原因は
「簡単に解決できることでも情報がわからない」
「家事を省略することに対する罪悪感などから解決策を躊躇してしまう」こと。

これを解決するための「子育ての森」というサービス及びサイトのアイデアに作り上げることが今回のアイデアソンのゴールとなりました。
ただでさえ普段から会議慣れをしていないママさんや学生で、問題からサイトイメージまでを時間内にやりきるのはチャレンジでしたが、最終的にはママさんの声を凝縮した質の高いアイデアに仕上がり、チームみんなで大満足でした。

 

b)議会改革のためのアイディアソン

参加者:9名
レポート:山寺 恭平氏(大学生)


議会改革チームは、学生4人、流山市民2名、子ども1名の計7人に、流山市議会議員の松野豊氏と、全体統括である谷川正継氏がアドバイザーに入りました。

議会改革を話し合うにあたり、参加者の議会に対するイメージをいくつか挙げてもらったところ、よくわからない自分から遠い存在である、不正や政治資金の問題などの悪いイメージがある等があげられました。他にも政治に関する問題として、若者をはじめとする投票率の低下もあげられました。
これらの問題の原因としては、政治に関して知りたい情報が公表されていない、また、公表されているとしても、その認知度が低いという意見が出ました。

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よって、これらの問題点を解決するために、『議員図鑑(仮)』という、議員、候補者、首長の情報が載せてある公営のウェブサイトをつくってはどうかというアイディアが出ました。議員個人のページには、プロフィール、マニフェストの達成度、共通の質問100個に対する回答、ブログへのリンク等を掲載します。他にも、議員の身長、人気度、個人ページのアクセス数といった、政治に関するものから全く関係ないものまで様々な議員のランキング、他にも、議員の考え方を見やすくした分布図など、多くの人がどんな形であれ政治に興味が持てるような内容を入れます。
しかし、ネットでこれだけのサイトがあっても、知ってもらえなければ意味がないため、このサイトは公営にした方が良いという話しになりました。というのも、テレビ等で宣伝するには、公平・公正なWEBサイトである必要があるためです。
今回のアイデアソンを通して、どうすれば、多くの人がより政治に興味を持ってもらえるか考えることができました。この『議員図鑑(仮)』が実際に作られれば、より議員の活動がわかり、政治家が、何をしているのか、議会で何が議論されているのかが見える化が実現できるのではないかと感じました。

c)自然環境

参加者:4名
レポート:佐藤 あゆみ氏(大学生)

自然環境のメンバーは4人で、江戸川大学現代社会学科の特任教授1名、大堀川美しい水辺づくりの会 理事長1名、イ大学生2名の4名のチームです。
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まずは「熱環境調査」の実態について知るところから始まり、それが流山市の環境政策の3本柱のうちの1つであることがわかった後、学生をはじめとする若者(特に環境政策に対する理解がまだ浅い人)が、流山市の環境政策について横断的に調べる際に、必要なデータや政策のとりこぼれなしに情報を得ることを目的に話が進みました。
私たちがたどりついたのは、「各省庁や自治体が所有していることによって情報元がバラバラであるため、熱環境調査をはじめとする流山市の環境政策に関するデータや政策をオープンデータ化し、それらの情報を一括でみることのできるデータセットをつくる」というアイデアです。また、そのデータセットの存在を周知させる方法として、Twitterなどを利用することも提案しました。そうすることで、流山市の取り組みがよりわかりやすくなり、さらなるブランディングにつながると考えました。

4人という少ない人数で構成された熱環境グループでしたが、ただアイデアを出すだけでなく、そのアイデアをより効果的に活かすことまで視野に入れた提案をすることができたと思います。

3.ハッカソン

開催日時:10:00~16:30
参加者:7名
レポート:田中優花氏、酒本 将幸氏

このハッカソンでは、子育てするうえで大切な施設である「赤ちゃんほっとスペース」を地図上に示し、検索できるアプリの開発を行いました。
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Code for Kashiwaのメンバーなど参加者は7名で、中には高校生や、プログラミング未経験の大学生2名が含まれていました。
終始みんなで和気あいあいとした雰囲気でした。UIチームとサーバサイドチームに分かれ作業を行い、対象年齢で検索できるようなシステムづくりや、詳細情報として場所・住所・電話番号などがわかるように開発を進めました。また、現
在利用可能な施設なのかどうか地図上で色分けがされたり、子供が遠くへ行ってしまうとお知らせしてくれる機能がつけられ、最後の発表会では会場から感嘆の声が上がりました。ちなみに未経験の大学生たちはほかの参加者の方々に教えていただきながら、アプリのロゴや地図のマークなどのデザインを行いました。そして作成の様子はTwitterで随時発信していきました。
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4.~エンジニアの卵を育てる~ レゴロボットプログラミング体験

開催日時:【一部】10:00~11:30【二部】13:00~14:30 【三部】15:00~16:30
参加者:70名
レポート:近藤美保氏

市民主導で行政データの有効活用を考える普及促進が目的であるInternational OpenDataDayのイベント主旨に基づき、データ活用のできるエンジニアの卵を地域から作ろうという背景から、レゴロボットプログラミング体験を3回に分けて実施、70名の親子が参加しました。

冒頭はオープンデータ、オープンガバメントについて「オープンガバメントラボ」で掲載されている内容を紹介、行政サービスにどのようなものがあるかを確認した上で、これまでこれらのサービスは行政がつくり、市民が利用するという構造でしたが、市民とともに創っていこうという流れであることを確認しました。また、オープンデータを利用することで、市民目線の便利で安価なサービスが生まれる可能性があること、その担い手として是非子ども達にプログラミングを体験してみて欲しいという主旨が話されました。
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親子でお掃除ロボットのプログラミングを体験しました。障害物センサーの感度、障害物を検知した時の回転角度などを設定し、教室後部で稼働、プログラムでロボットを制御する方法を体験しました。
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その他


メディア掲載実績

  • 世界同時開催のオープンデータイベント、日本では62カ所の自治体が参加、詳細は「こちら
    ZDNet Japan 2015年02月26日 07時00分
  • レゴプログラミング体験 レポ 「こちら
    moricom 森のまちに住む 2015年02月21日
  • CODE for NAGAREYAMAの未来につながる流山のオープンデータデイ | レゴ・マインドストーム体験会「こちら
    流山市民参加者のブログ 2015年02月22日

100箇所巡りマップを作りました

Wikipediaタウン流山に参加された方が100箇所めぐりマップを作成してくださいました。「こちら

アイディアソンアウトプットのPV

アイディアソンリーダーの谷川さんがアイディアソンアウトプットのPVを作成してくださいました。「こちら