IODD2016開催報告《サイトユーザビリティー:柏市HP編》

『市のホームページの使い勝手向上のため、カスタマージャーニーによるサイトチェック:柏市編』

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【ケース①】

「3歳児を持つ母親が、予防接種を受けさせるためにどこに行けば良いか、何をすれば良いかを調べに来る」

との設定はしたものの、そもそも母親になりきるはずのメンバーがみんな40代男性!

全く予備知識がなさすぎたため、急遽五児の母に参加してもらい、サイトを訪れてみる。

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<結果>

・ママは、母子手帳や郵送物の情報を読んで予備知識があるため、最終的な目的は難なく達成できる→○

・一方、母子手帳ってそもそも何が書かれているのかわかっていない男性陣は、単語の意味自体がわからず、それを補足する説明や動線がないのでチンプンカンプン。汗

「これでは子育てに協力しようにも何もできないね」という意見も。汗汗

【ケース②】

「それではオジさんも関係する事柄となると、、ガン検診はどう?」ということで、オジさんが健診で悪い結果が出て市の検診等を利用しようとしたケースを想定して訪問。

<結果>

・今は健診を受け付けていない時期らしい。

それはしょうがないにしても、時期が来たら何をすれば良いのか、受付フローの全体像が書かれていないからこのサイト内では目的達成できず。

・申請方法として、電子申請があるそうなのだが、そのリンクに飛ぶと急に「到達番号」というのを聞かれ、頭がパニックに。

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↑あせる。頑張る。あせる。頑張る。あせる。

【ケース③】

気を取り直して、市のホームページを利用するのは「引っ越して来て直後のゴミ出しを調べる事だ」との意見から、引っ越して来て、荷ほどき後に出るダンボールを捨てるため、収集日を調べてみることに。

<結果>

・ダンボールは月2回ということはわかった。→○

・ただし、収集日カレンダーは自治会単位で変わるようで、引っ越して来て地名もよくわかっておらず、自分がどの自治会に属するのかわからないのに、それがわかる情報は載っていない。

【ケース④】

今度は、再度母親になったつもりで、近所の公園を探そうとしてみる。

<結果>

・柏市内にある、週末に行くような大きな公園は見つけられた。→○

・近所の空き地のような公園は見つけられなかった。

【ケース⑤】

時間もなくなってきて、最後にトップページにバナーを貼ってあるマイナンバーの発行について調べてみる。

<結果>

・通知カードが受け取れなかった時の対応はしっかり書いてあり、みんなが「へぇ~そうなんだ」と納得。→○

・ただし、IDカードを発行するには、予約が必要とのこと。受付画面に飛ぶと、「予約番号」というのを求められる。

戻って予約番号とは何か、どこに記載されているものかを調べたが、ついぞ見つからず。

こうして、最終的な目的達成というゴールに対して「0勝5敗」と惨敗の結果。(当社比)

【まとめ】

まず、柏市のホームページは3/1にデザインリニューアルして、以前に比べ格段に見やすくなった。(パチパチパチパチ)

しかし、中身のコンテンツについては手付かずの状態もあると見受けられた。

今回のケースでわかったことは、母子手帳や自治会一覧など、市のHP以外で通知されている情報がわかっていない人は想定に入っておらず、「調べよう」と思ってHPに来ても目的を達成することができないことだ。

せっかくデザインが見やすくなったので、今度は「記事の書き方」の改善で他の自治体に負けないホームページにしてもらうために、提案書にまとめてみたいと思う!